第3話(9月24日号)
なんで経営が大変なの?
つむぎちゃん:「訪問介護事業って、大変なのね。」
はい、大変です(笑)
でも決して経営が成り立たないわけではないんだよ。
ちょっと「しくみ」を見直すことで、よくなる可能性がいっぱいあるんだ。
つむぎちゃん:「え?しくみ?」
そうだな。たとえばヘルパーさんがみんな頑張ってくれている。
それでも「むくわれない」というのなら、ちょっと「頑張りどころ」が間違っているのかもしれない。
いちばんやっかいなのが「訪問介護事業は、こんなもの」という思い込み。
つむぎちゃん、たとえば訪問介護のしごとにどんなイメージがある?
つむぎちゃん:「うん、とにかく大変。それなのに、企業のように「もうけ」が出ない…」
まさに、よく言われていることだね。
みんながそれを「あたりまえ」と思って、「もっとよくしていこう」と、考えなくなってしまうんだ。
むずかしい言葉でいうと「思考停止」。
こうなると、とにかくがむしゃらに頑張らなきゃならないんだ。
つむぎちゃん:「ほんとうは、もっとよくなるの?」
充分その可能性はあると思うよ。
よくなるはずさ。
まずは「あたりまえ」を疑ってみること。
訪問介護事業をとりまく「あたりまえ」をいくつかあげてみようか?
(1)ヘルパーさんのお給料(人件費)がたいへん!
(2)サービスを取り仕切る人(サービス提供責任者)の仕事がたいへん!
(3)サービスをもっとよくしていくことは無理。
(4)ヘルパーさんが、すぐに辞めてしまう。
(5)サービス提供できる利用者さんに、数に限りがある。…など。
これらは訪問介護事業を経営する人のあいだで
あたりまえのように言われていることなんだけど
はたして、本当にそうなのかな?
これらをよくしていくことは、ムリなのかな?
つむぎちゃん:「でも、みんな精一杯がんばっているのに、それ以上がんばれというのは、かわいそう。」
うん。がんばれ、とは言わない。
訪問介護には、いろんな問題があるんだけど、
それらを「人のがんばり」で解決しようとするから大変なんだ。
ここで、ちょっと発想をかえてほしい。
介護の問題を「人のがんばり」で解決するのではなく、
「しくみ」で解決する方法を考えなくちゃ…と。
つむぎちゃん:「どういうこと?」
たとえばサッカーを見てごらん。
1つのボールをみんなが全力で追いかけていたら、90分も持たないよね。
きっとすぐに負けちゃうよ。
そうではなく、それぞれのポジションがあって
ボールをまわす「しくみ」があれば、うまくいくよね。
それと同じことなんだ。
つむぎちゃん:「わかったような気がするよ。
みんな今、90分を全力で走っている状態なんだね。
だから、もうこれ以上ムリなんだね。」
そう。
では、次から「しくみ」を作っていくことを考えていきましょう。
バックナンバー
▶︎第3話「なんで経営が大変なの?」
▶第2話「ちょっと未来を想像してみよう」
▶第1話「がんばれ!訪問介護事業!」